【新山みりょくびと】 佐内繁文さん(奥山営農組合)

<プロフィール>

昭和20年8月生まれの71歳。4人兄弟の長男で、山口で生まれ育ちました。若い頃は仕事で関東に出たり、定年退職後に訪問介護の仕事をしたりするなどして様々なことにチャレンジしてきた佐内さん。現在は農事組合法人奥山営農組合の代表をされており、耕作放棄地を再生した圃場で主に米作りに励まれています。



<美しい田園風景を取り戻す>

“耕作放棄地”-農家の高齢化や担い手不足によって、耕作できずに放置され草木が生い茂った田畑の問題は今や日本全国に拡がっています。幼い頃から過ごしてきた地元新山の田園風景が年を追うごとに荒廃していくのを目の当たりにした佐内さんは「昔ながらの新山の美しい田園風景を蘇らせたい」という思いから平成22年の春に奥山営農組合を設立しました。長らく放置されていた耕作放棄地には雑草以外にも背丈をゆうに超える樹木も生えていることもしばしばで、活動当初は終わりの見えない作業の繰り返しだったようです。活動開始から7年目の現在ではメンバーも10人となり、16ヘクタールもの耕地面積にまで拡がり、新山の耕作放棄地解消に大きく貢献してきました。また異業種で働いていた定年退職者をメンバーに加えることで、これまでの仕事で培ってきたスキルを農業経営や販売・機械修理等に活かすなどして、地元での再雇用先の受け皿としての役割も担っています。


<これからの農業>

耕作放棄地の解消や活用などの地域貢献と、営農という経済活動を両立させた運営をおこなっている奥山営農組合ですが、やはりメンバーの高齢化から若手の育成を進めていくことも重要な課題としています。そのためには若い人にも魅力的に映る農業を自ら実践していく必要性を強く語ってくれた佐内さん。今後は農地を集約して圃場整備を行った効率的な農業を行うことや、最先端の機械の導入、そしてこれまで周囲で作られてこなかった珍しい作物を栽培してみるなどして他とは違った独自の農業を展開していくことで農業に興味や関心を持つ人が増えていってほしいとのことでした。


<編集後記>

終始笑顔でかつ魅力的な話をしてくれた佐内さん。心から農業を楽しんでいることや、これからの農業における希望がひしひしと伝わってくる時間となりました。昔懐かしい田園風景を少しずつ取り戻していくたびに佐内さんの喜びも増え、新山の魅力も増えていく…、そんな良い循環がある新山がさらに好きになりました。

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